還るべき場所

2011年12月29日 読んだ本
還るべき場所
笹本 稜平著

Mさんが持ってきてくれた本のもう一つ。
久しぶりの山岳小説。

VN行ってからすっかり山登りはご無沙汰となり、気分もすっかり離れていた。
けど、久しぶりにこの小説を読んで、また山登りいきたい!という気持ちがかなり強くなってきた。

ヒマラヤでの公募登山を中心とした物語展開。ヒマラヤの高所登山の詳細が良く描かれていて、それだけですっごいまた登山を行いたくなる。ただこの本は、それだけでなく、山にうちこむ気持ち、はたまた人生感までも上手に言葉にできている。すっごい共感できる考え方が多く、どんどん物語にすいこまれる。現時点、先が不安定な僕だからこそ、余計にそういった言葉に引きこまれるんだろうな。


「人間は夢を食って生きる動物だ。夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる。そうやって自分を騙しおおせて死んでいけたら、それで本望だとわたしは思っている」


「命なんてものはいずれ消えて無くなる。その終りにしても神ならぬ身には予測がつかない。そんなものを後生大事に抱え込んで暮らすより、使いたいように使って、自分が生まれた世界を謳歌したほうがいい」


こういった心をつく言葉が数多くでてくる。それもヒマラヤの高所を舞台に。
いいなー。やっぱりそういった超越した場所に身をおくと、
いろいろと人生観もかわるんだろうなー
こういった言葉をすらっと話せるように、もっと僕も人生やりたこいことをやらないと。

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